あなたが送ったサイン
瀬崎 虎彦

ささめきことに身を寄せて木曜日
ひらりひらりと翻る葉の裏を
手のひらをぎゅっと握って
眺めておりました

風が出て雲の流れがはやく
欄干にしがみついていなければ
心はメレンゲのように軽く
遠くへ飛ばされてしまいそうでした

二度三度太陽の光を反射して
波間からあなたがサインを送った
そんな気がしていたのです

それは数日の後に詩になって
ああそうか世の詩人の皆さんはゼロから
作品を作るのではないのだと理解しました


自由詩 あなたが送ったサイン Copyright 瀬崎 虎彦 2009-11-14 04:47:01
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