水槽の中の日々
瑠王

半透明な一日の中の朝が溢した
色のついたある一点を探しにいく

近況、そんな穏やかな毎日です


晴れた日の傘のように
言葉たちは眠っています
だから私はペンを置いて
モールス信号のように指を叩きます
穏やかすぎる平行な午後
だからせめて、私の珈琲は苦いのです


半透明な夜がきて
闇を泳ぐ金魚のように
愛は魂をひらひらさせて
ビルの隙間に消えていきます

昨日が列車のように
夜の駅を遠ざかっていきます

これでは夢がきても
夢だとわからないくらい
生きているのか
死んでいるのかもわからない

近況、そんな穏やかな毎日です

だからせめて、私の心は黒いのです




自由詩 水槽の中の日々 Copyright 瑠王 2009-11-11 22:55:54
notebook Home 戻る