吸い取られていく言葉たち
ななひと

吸い取られていく言い散らかされた言葉たちが、
順序もなく咀嚼されていくゆったりとした時間の持続。
そこでは言葉たちは、徹底的に孤立させられ、
意味の手を差し伸べることはできようもない。
関係の束から切り離されたとき、言葉に何が残されよう。
そこには徹底的に無力な、無意味ですらない、欠損したことばがあるだけだ。。
すでにそれはことばではなく、音でさえ彼らを分別することはできない。
過剰なる欠損

集積されていく革袋は、言葉には全く無関心である。
捨象と切断によって膨らんでゆく存在は、無駄に体積と重量を増し、
果てしない異形の形をして言語の代謝物をとどまるところなく流し続ける。
意味のない世界に広がりゆくかつて言葉と呼ばれたものども。
すでにそれは混じり合う多重の重量でしかなく、
かすかなにしたたる一粒は、徹底的な無力さでもって、
地上に浸み落ちることしかできない。


自由詩 吸い取られていく言葉たち Copyright ななひと 2004-09-18 00:19:02
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