僕はカーディガンのボタンを外して
瀬崎 虎彦

あたふたと駆け寄りきつく抱きつく
君の骨の重さ確かめるために強く
そして呼吸する間を惜しんで
キスをしてそれがいつまでも続く

金縛りにあったように体が収斂して
こうしていることが日常だとは思われず
そうか世界でたくさんの私が主人公で
それぞれの私は今この私の思い描きえず

ハーブティーを淹れてみると
抽出の様子をじっくりと観察する
君の背中が可愛いと思って

テーブルに近づくと
肩で息をする君は実は寝てしまっていて
僕はカーディガンのボタンを外してかけてやる


自由詩 僕はカーディガンのボタンを外して Copyright 瀬崎 虎彦 2009-11-10 00:09:20
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