カツ丼とゴッホ
吉岡ペペロ

ぶらりと定食屋に入った

カウンターのうえに並ぶおしながきを見ていて

カツ丼をもうながく食べていないことに思いあたる

学生のころ日に三杯は食べていたカツ丼

あれから二十年か・・・・俺はなにか成長したんだろうか

毎日アカスリする程度の金なら自由な暮らしだ

でもじぶんのなかの風船は

いまも大きくふくらみ続けている

カツ丼にはしなかった

おでんを五つとって焼酎のソーダ割りをのんだ

カツ丼の原色を思った

ゴッホのひまわりを連想した

ゴッホが銃で撃ったのは

じぶんのなかの風船だったにちがいない

ぶらりと定食屋に入った

カウンターのうえに並ぶおしながきを見ていて

カツ丼をもうながく食べていないことに思いあたる

学生のころ日に三杯は食べていたカツ丼

あれから二十年か・・・・俺はなにか成長したんだろうか



自由詩 カツ丼とゴッホ Copyright 吉岡ペペロ 2009-11-07 00:24:03
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