Kid Aを聴きながら、床に思う
within
ベッドに横たわり
窓から入ってくる光は
いつも白い
思い出しては悔やむばかりで
明日を思い描く 明日は
死への怖ればかり
私は年老いた
若い頃から想像し
脅えていた まさにその時を
今 生きている
目の前に立つ者が云う
何をそんなに怖がっているのですか
私は死にたくないのだ
私は父母のように
一欠片の骨にはなりたくないのだ
あなたは生まれる前のことは覚えていますか
生まれる前は塵芥だったのだ
記憶などあるはずもない
そうですね あなたは生まれる前
死んでいたのです
塵芥と骨に違いなどあるはずがありません
そうだが、私は再び死ぬのが怖い
心配はありません
痛みもありません
気付くこともありません
すぐ終わります
どんなに無について考えても
覚ることができないように
死も覚ることはできません
私は怖い……
そうですね 死ぬ一瞬前まで恐怖に
おののくでしょう
仕方のないことです
しかし何の心配もいらないのです
ワタシが傍らにいるのですから
そこで彼は笑う かすかに
雨粒がつくる湖面の波紋のほどに
空腹でもないのに若者が
にこやかに食事を運んできてくれる
もう動くこともままならない
抗うだけの力は残っていない
迫り来るものにおびえながら
先に逝った人々の末期を
枕元に吊るされた
十色の折鶴にみる