しろいよる。
aokage




そこには白い夜が横たわっていた。



美しい肢体の上には黒い枯れ木が今にも折れそうに、

風に揺られていた。




私はその枝をポキリと折って、

彼女の口元へ持ってゆく。



僅かに開かれたそこに滑り込ませれば、

すぐに変化が現れる。




先ずは唇から。


じわじわと黒に変わってゆき、足先までそれは拡がる。




そして彼女の白は枯れ木へと移り、


豊かでたおやかな葉を生い茂らせる。






朝になったのを見届けたワタシは、


ゆっくりと彼女の元を離れる。








再び訪れる夜を、心待ちにしながら。









自由詩 しろいよる。 Copyright aokage 2009-10-30 03:12:36
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