本屋さんで
Mélodie

膨大な量の本を目の前に
手を伸ばすことをためらう
どれを選べばいいのかわからない
すべてが必要すぎて
何一つ得られない

余り過ぎてる言葉が
むしろその意味を無くしていくように
目の前に積み上がる
哲学の群れを前にして

私はこの後友達と食べる
食事や酒のことを考えた

倒れ込む谷崎や寺山を目の前に
私の後ろではJAZZのベースが唸る
珍妙な符合に太宰が皮肉を浮かべ
中原が透明な眼差しで私を見ている

いっそこの紙を全部食べたら
今日の酒は美味しくなるだろうか

レトロなJAZZに追い立てられながら私の哲学を思った


自由詩 本屋さんで Copyright Mélodie 2009-10-24 22:39:39
notebook Home 戻る