嘔吐の僕
津島

視線を一身に背負い、幻覚の真似事、薄ら笑い
心臓に空いた底無し沼、埋められぬが故、僕は

思春期の一言で済ませられたフラストレーション
理解していた恥、理解していた筈、ああそれでも

哀しみを餌に、苦しみを武器に
憎しみを免罪符に、喜びは隠蔽して
幼少期のトラウマを捏造した僕、理由、なんて

寂漠とした夜は陶酔のインテリア
求めていたものすら見失ったディスプレイの前で
嘔吐、嘔吐、視線を歓声を賞賛を感じていたのは
ただの妄想だったのかもしれない

自覚症状は重度、ああそれでも
埋められない掻き消せない衝動
ピエロでも良い、ただの一部でも良いと気付くまで

あと少し、もう少しだけ、嘔吐の僕、オンステージ


自由詩 嘔吐の僕 Copyright 津島 2009-10-22 22:03:39
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