猫
三森 攣
滴るような影が覆う
窓ガラスにも無数の痕跡を残しながら
実体の無い掌が感覚を撫でていく
階段の暗がりは質量を増し
無音
外は雨
彼は目を閉じたまま
静かに耳をそばだてた
自由詩
猫
Copyright
三森 攣
2009-10-22 20:47:45