夕焼けの馬鹿野郎
nonya


またしても
夕焼けに因縁をつけられる
丁寧に塗り直したばかりの
ちょっと自慢の金メッキは
緋色の光に呆気なく溶けて流れ出す

またしても
夕焼けに喧嘩を売られる
行先のどっぷり染み込んだ
ちょっと洒落た安全靴は
昼と夜の抱擁を前に立往生する

それでも
夕焼けを振り返らずにはいられない
たとえ我が身を裏返しにされ
忘れかけていた罪を摩り込まれても

それでも
夕焼けに縋り付かずにはいられない
振り返ることに慣れていない首筋を
180度後ろに捩じ曲げられても



自由詩 夕焼けの馬鹿野郎 Copyright nonya 2009-10-20 18:58:50
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