イチマンブンノイチ
セルフレーム



苦しい

苦しい

苦しい


王様

王様

何故私にこんなものを書かせるのですか・・・・・・

王様

王様


―決まっているだろう、

この世界が―・・・




王様、世界が終わる物語なんて、書きたくはありません。


国で一番の物書きであるお前に、私直々頼みをしておるのだぞ。
これほど名誉なことはあるまい


しかし―


ならばお前は、私の命に逆らった逆賊となるのだな?
ほう。今すぐに兵を呼び寄せ、打ち首にしても良いのだが―


そんな・・・!


ならば黙って書くことだな。


・・・わかりました・・・
・・・最後に教えてください。
王様は誰の為に、この物語を・・・


それは時が来たら教えよう。
それでは、世界が終わる物語を100篇、まとめたらもう一度城へ来ればよい。


―・・・はい。




王様

王様

くるしいのです

くるしいのです



もう書けません


あと1篇なのです

あと―






・・・ねぇ、あそこの家の物書き、亡くなったわよね

えぇ・・・なんでも王様に頼まれた物語が悪かったそうね・・・

この間王妃様が亡くなったじゃないの―

王妃様の呪いよ、きっとそうだわ・・・

王様もあれから塞ぎこんでるものね

教会の鐘が鳴ってるわ、ほら、早く行きましょう




自由詩 イチマンブンノイチ Copyright セルフレーム 2009-10-19 15:51:59
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
コネクト・ワールド