蘭鋳
みつめ

せかいは思っていたよりせまく
水中は人肌のあたたかさをたたえる

くちをひらけばアルトの悲鳴と二酸化炭素がもれて
よじれていく
それは意識なのか 上っ面の社会性なのか

・・・どうでもいい、か

ひさかたぶりの息つぎは
ヤツの青白いかおと
わたしの浮ついた狂気が
腐ったスイカのように赤く流れ出ていくのを見た、

ような気がした。

そしてまた
ユニットバスで終わらないクロール
を、しながら
相対性理論についてかんがえている


自由詩 蘭鋳 Copyright みつめ 2009-10-18 21:32:31
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