ポケットに入れて叩くと二個の飴
黒乃 桜


全自動洗濯機に投げ込んだ
ぐちゃぐちゃにしちまえ 僕の作文

ポケットに入れっぱなしのキャンディと
同じように 砕けてよ

あまり上手に出来なかったとか
気に入らなかったわけでもなく

どちらかというと上手く出来て
とても気に入ってたはずなんだ

なのに どうして?
読むたびに 物語調なその文字に

嫌気がさしてくるんだよ
とてもワクワクしているのにさ

あまのじゃくだと許されんのに
嘘つきだとこてんぱんみたい

どっちもどっちで愛されたいと
泣き叫んでるのに 変わらないのに

おたまじゃく・・はカエルじゃなくて
そう否定する人間がいたとしても

『カエルの子はカエル』って
そんなくだらない! そうさ そういう事よ

ああ ぐちゃぐちゃになった僕の作文
A4 二枚が小さくなった

張り替えないままのガラス窓
はっつけて 忘れてしまいたい

もう 読めはしない僕の力作
そうしたかったはずなのに

また戻ってくるよ 嫌な気持ちが
どうすれば? いいんだよ!

あまのじゃくだと笑われたって
嘘つきだって罵られても

どっちもどっちで変わりはしないと
言ってた僕の作文の残骸

きっと 今度は三枚組に
そしてまた回されて・・

ねえ 後どれくらい?


自由詩 ポケットに入れて叩くと二個の飴 Copyright 黒乃 桜 2009-10-16 13:52:17
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