蛇つかいたちの行進
吉岡ペペロ
ふたりの蛇が絡みあい
とぐろを巻いてぼたっと置かれている
私たちは睨みあう
舌をちょろちょろさせ
鎌首をシュパッと突きあわせ
私たちは今、威嚇しあっていた
私はちいさな蛇だ
むこうはおおきな蛇だ
生きているということ以外
おなじ土俵にのっているものは何もない
おなじ蛇ではあるけれど
むこうに比べれば私は蛇ではない
蛇もどきのミミズのようなものだ
私は蛇つかいにならなければならない
たとえば、三つ攻撃されたら
五つ、六つ、と受けていかなければならない
九つ、十、と受けていかなければならない
私は蛇もどきのミミズではない
私は蛇つかいだ
ふたりで階段をのぼってゆかなければ
なにかの行進のように
ふたりで階段をのぼってゆかなければ
ふたりの蛇が絡みあい
とぐろを巻いてぼたっと置かれている
私たちは睨みあう
舌をちょろちょろさせ
鎌首をシュパッと突きあわせ
私たちは今、威嚇しあっていた