深夜二時いちごパフェの味
ゆきちゃん。


今あたし男の人と住んでる

あんたじゃない男の人と

店から帰ってきたあたしに

彼は今日はどうだったか必ず聞くの

あたしは答えるの

   今日ものすごく嫌な客が来たの
   あたし散々意地悪言われたの
   
彼は言う

   そうか それはひどい 
   お前はこんなに頑張ってるのに 
   一緒に寝よう 抱き合って眠れば落ち着くよ

そうしてあたしは彼の腕の中で眠りに着く

彼の中はあったかくて ちょうど良くて 

なのに たまにね 彼の腕の中で

あんたのことを考えてしまう夜があって

あたし少しだけ混乱する


あんたはあたしの仕事の話が嫌いだった

男に媚を売る仕事だって言って許してくれなかった

だから何も聞かなかったよね

けれどいつも

ご飯を食べずに待っていてくれたよね

あたしが何時に帰ってこようが

24時間営業のファミレスに

連れていってくれたよね

お前の好きなパフェおごったるよって言って

何も聞いてくれなかったけど

それだけで良かった



今 あたしは わからない 混乱してる

満たされているはずなのに ねえ なんで

なんで あんたは こんなにもあたしに まとわりつく の

この声がいつか届いて

今度会えたら 友達になれればいいなと 

彼の腕の中で ひそかに 願った


自由詩 深夜二時いちごパフェの味 Copyright ゆきちゃん。 2009-10-13 09:01:20
notebook Home 戻る  過去 未来