ねことくも
……とある蛙

耳のある一輪指しのようになって
猫は出窓から空を仰ぎ見て居る。
空にはポッカリ 雲が
白くてポッチャリとした雲が浮かんで居る。

猫は飽きる事なくそれを眺め、
それに付き合って居る飼い主も眺めて居る。
猫と同じように首を伸ばして

暇な時間なのだ
ゆったりと時間が過ぎて行く。
惜しいとは思われない。

白い雲は地上に降りてきそうにも無い。

女房もそれを眺めており、
今日は洗濯日和なのだろうか
女房は思い出したように
洗濯物を抱えてベランダへ

僕は相変わらず出窓から
ポッチャリ浮かんだ雲を眺めている
暇なのは僕だけなようで

猫は不意に出窓から降りて
振り向き様に一声
ニャーとないて消えていった。

この ひまじん と言ったか言わぬか

僕は相変わらず出窓から
ポッチャリ浮かんだ雲を眺めている。

そして、ベランダの働き者の連れを眺めて
柔らかな気分でつぶやいた。

ほんと、愛してます。


自由詩 ねことくも Copyright ……とある蛙 2009-10-12 00:17:36
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