ホームグラウンド
中原 那由多

在り合わせにかえって思いやりを感じる
わざわざ捻り出さなくても
無ければそれで誰も責めやしないのに
お節介なのは今に始まったことではないので
いつもの舌打ちに心を込めた


昼間の月を見つけたら
星も探すんだと言って聞かなかった
諦めさせようとはせず
ただ黙って見ていたのは
壁にぶつかることの必要性から
逃げないようにするためだった


不意打ちの一言に落胆しながら
反抗への怒りで相殺した
気にくわないなら無視すればいいのに
簡単にそうできないのは
同じ人間だからだろうか


遠くの会話を一つ掴んで
光栄だと笑えばまた橋を渡ることができ
軽蔑だとぼやけば遠回りもまた楽しい
大胆にくしゃみは反響していたが

大した噂は、聞いてはいない



自由詩 ホームグラウンド Copyright 中原 那由多 2009-10-10 18:24:13
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