チョコレートフレイバー
鈴木陽一レモン

黒猫は
三日月の
欠けた部分を
見つけてしまった

その日から

黒猫は
黒猫では
なくなった

気がする


自分で
はっきりと
感じる

紀元前 紀元後
くらいな 違い

大きな違い が
感じられるんだ

黒猫には。


満月を、食べちゃった。

月光が、影を隠しちゃった。

「やだ… 汚れのない愛って…?」

三日月の
欠けた部分を
見つけてしまった

隠して、しまった
その日から、黒猫は
黒猫ではなくなったんだろうな

存在の猫

救いの灯りは
いくらでもあるのだ

たとえば
工場(こうば)の
chocolate flavor


  哲学者の顔をした
   吠えて、サルが
    見上げた空に
     欠けた満月
      神々しい
       狂う鳥



       必死で
      ぼくらは
     放り込むよ
    ディジタルの
   キャパシティー
  埋め尽くすまで…


都会のナンバープレートを、
片っ端から全部、
満腹になるまで全、部
吸い尽くしていく 

必死で

探す
けれど
見つかりっこない

ぼくら
全員
かわいそうな恋人達


自由詩 チョコレートフレイバー Copyright 鈴木陽一レモン 2009-10-09 18:57:11
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