「僕の道は灰色の道」
広川 孝治

灰色の道が続いている。
これまでずっと歩いてきた。
これから先も続いてゆく。
この道を歩くことができるのは僕だけだ。

誰とすれ違うこともなく。
共に進むこともない。

ずっと一人で歩いてきた。
立ち止まることなく、前へ前へ。

涙をぬぐうこともなく。
傷口を押さえることもない。
転んでも止まることを許されず
片時も休むことはない。

足を引きずりながら、
頭を垂れながら、
今にも立ち止まりそうで、
それでもずっと進んできた。

何度も何度も振り返り、
目に映るのはいつも同じ
ただただ続く、灰色の道

前を見上げて睨んでも
やはり、道は変わらない
灰色の帯が伸びてゆく

いつまで歩けばいいのだろう
どこまで進めば許される

立ち止まりたいわけじゃない

道に不満があるわけでもない

ただ
ただ
共に歩く人が欲しい
視界に誰かがいて欲しい。

切に切に願いながら

僕は一人で歩いてく

とぼり、とぼりと進んでく


自由詩 「僕の道は灰色の道」 Copyright 広川 孝治 2009-10-08 23:37:28
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