号泣したことを後から君が恥ずかしいと思ったとしても
kauzak

二十歳すぎの男が
号泣という言葉にふさわしい
滂沱の涙を流して
人目を憚らず泣いていた


その涙は僕には絶対に経験できない

断言出来てしまう自分のこれまでの生きざま
が悲しいのだ

涙を流した理由には意味がなくて
けれど涙を流すに至った経緯が意味を孕むことがある

どれだけ全力でぶつかってきたか
どれだけ全力で生きてきていたか

傷つくことを恐れる僕は
あたり障りのない言動と行動を繰り返して
生の自分に誰も触れさせないように
うずくまってきたのだ


何かを成し遂げたことがない僕は

これまでの過去のすべてが
誰かから/何かから赦されることで成り立ってきた

感じてしまう僕は

滂沱の涙を流す君には敵わない


自由詩 号泣したことを後から君が恥ずかしいと思ったとしても Copyright kauzak 2009-10-07 22:47:48
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