ひまわり
透明な魚

あなたは少し離れたトコロで

わたしに結びつけた糸を手繰っている

わたしは週末をすべて使って

あなたに会いに行く

高い場所から景色をみるような

水平線をみるような

二人の時間はそんな感じ

わたしの走らせる車は

確かにあなたとの距離を縮めるけれど

あなたの心に逢うためには

わたし自身が駆け出さないと

雪がちらちら降っている

スピードは景色を巡らせて

沢山の車たちがいろんなスピードで走っている

「速さ」は違うけど

みんな一つの道を駆け抜けている



あなたと過ごす時間

高いところで何処か遠くを見るような時間

そんな時間が過ぎてゆく

わたしは結晶のように完璧に調和して

光を纏って数多かがやく

「想い」がわたし自身を調和して

週末のひと時を精一杯に奏でている



見ることはできるけど

たどり着くことはできない場所

思い出の幾つかがふれあって音が鳴る

耳を澄ませば遠くで歌う鳥の声

枯れない花を追い求めて

さまよい続ける鳥がいる



あなたとの時間が終わって

わたしはあなたから去っていく

距離は離れるけれど

わかりあえた二人なら心は繋がったままなのか?

そんな気持ちになってみたいとか思う

すっかりと日は暮れて

車のライトが道を照らす

雪がちらちら降っている

バックミラーに写る変え忘れた造花が一輪

雪の景色で笑っている

夏に

あなたに会えた夏に飾ったひまわりが

雪の中でダンスしてる

「わたし」は「あなた」にとどいているのかな

沢山のテールランプが

一つの道の中で揺らめいている

週末も終わって

わたしはわたしに帰っていく

枯れないひまわりが雪の中で咲いている

夏の煌く出会いを称えたままいつまでも微笑んでいる

わたしは思い出に生きる哀れな小鳥

ちいさきままに愛を称えて



自由詩 ひまわり Copyright 透明な魚 2009-10-06 00:26:52
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