操作する、空を飛ぶ
市松 伊知郎


行き過ぎた感情は丸出しで
浮かんだ言葉が喉まで出てきて
思わず息を飲み込んだ

飲み込んだ言葉を頭に戻して
考える、かんがえる


「わたしはせいじょうだ」
「おかしくなんかない」

そうだ、おかしいのは
私じゃない。
おかしいのは、

なんだ?


昔から言われていたんだ
あの子はおかしいって
変わっているねって
この国の人間たちはみんなが同じでないといけない
そうじゃないと不安になるのだ
服装も
感情も
行動も

全てをみんなに合わせないとおかしな人間になるのだ

おかしいのはわたしじゃない


ゆらゆら揺れる水
それにつられるわたし

灰になる言葉



自由詩 操作する、空を飛ぶ Copyright 市松 伊知郎 2009-10-05 18:59:24
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