暮れる
さき


凍らせた私の血を
温めなおしていた
あの季節とは
もう
さよなら
サングラスも
その帽子も
ここから先は
進入禁止


ベランダでは
服を
もう一枚

拭う間もなく
また

センチメンタルより
私を
いかせる
ものが
この世にあるの


悲しい
なんて
抽象的なこと
嬉しい
なんて
具体的なこと
何一つ
思い出せなくても
眺める
暮れていく
世界
どうしよう
知る以前に知っている
ような
言葉が生まれる前の
ものが
私の全てを
とても敏感に
させていく


ああ
なんだか
今日も一人では
眠れない


眠れないね








自由詩 暮れる Copyright さき 2009-10-04 23:13:19
notebook Home 戻る  過去 未来