積木崩し
中原 那由多

きっかけなんてないままに
特別な理由には目もくれず
ただ夢中で積み上げていく
行けるところまで行ってみよう、と


そんな毎日が楽しみでした


円柱形の白いもの
どこで拾ってきたのだろうか
まるで自分の分身のようで
迷わずそっと積み上げた


月日はどんどん流れていきます


六畳ほどの自室の天井に
いよいよ届こうかという矢先
遂にガラガラと崩れてしまった
かつて宝物のようだったもの達が
瓦礫となって転がっている様子に
いよいよ自らの過ちに気付いた


それなのに開き直ってみたのです


何気なく始めたそれに
次第に愛着が湧いていき
その度量に比例して
私は頭を抱え込む
馬鹿げた遊びに明け暮れた報いとばかりに
古傷もまた疼き始める


しかし、このまま終わるわけにもいきません




自由詩 積木崩し Copyright 中原 那由多 2009-10-02 20:52:33
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