ミシガン
ねことら





やわらかく、いま
はっきりとした
輪郭で、ミシガン
名もない傾斜に、着岸
している、濡れる
髪のひかり、ひそやかな
荊、起き上がれずに
うわごとのように
ミシガン、破れた世界を
あるく
とうめいな履歴書、張りつけ
られた背中、日ざかりの徒刑
零コンマがゆるく
刺さる、長い影
ふるくさい、にくたい
だいきらいな、たいくつ
くさったケーキ
ぬりたくられた、牢屋
校舎から飛び降りる、ための
延長戦、逃げ切りを図って
夏なんて微分、できると
おもっていたんだ、ミシガン
あばら骨の、変数
疼くザイアクカンを、二乗
する、傷のにおい、の気がする
くしゃくしゃは螺旋
魂の、わずかな
グラム、とても
きれいな音楽が聞こえていた、

ミシガン、叫んでた?



こんなにも
埋もれたままの、わたしがいて
泣きそうになる









自由詩  ミシガン Copyright ねことら 2009-09-30 23:42:49
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