メタモルフォーゼ
ゴースト(無月野青馬)

硝子の眼が欲しい
濁った眼は棄てたい
凍り付いて、怖じ気づいた膝小僧
全部、全部、棄てたい
全部、全部、硝子製になればいい
隠れ家で填めよう
新しい部位・部品
独りきりのメタモルフォーゼ
写真に残せないのが惜しい
産まれたままの裸になって
死にそうな顔を上げて
苦痛にならないように
麻酔を打ち込みながら
全部、全部、棄てていく
全部、全部、入れ直す
透明な硝子になったら
もう、恥ずかしくない
もう、嫌わない自分を
もう、誇れるくらい
もう、嫌わない自分を
もう、切り刻まない眼球を


硝子の眼になったら
背中が物足りなくなって
硝子の眼になったら
硝子の羽が欲しくなってくれたらいい
硝子の膝になったら
踝が物足りなくなって
硝子の羽を生やすなら
硝子の足首も欲しくなればいい
全部、全部、棄てていい
全部、全部、硝子に!
全部、全部、棄てていく
全部、全部、硝子製に!





自由詩 メタモルフォーゼ Copyright ゴースト(無月野青馬) 2009-09-29 02:44:32
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