水銀
はな

体液だと思ったそれは水銀のようでした
どうりで息苦しいはずですが
それならそれで仕方ない

ベランダを支える木材は
空気をふんだんに孕んでる

ぼくがぼくでいることを
認識したいがために行われる作業

ベランダを支える金属でさえ
空気をふんだんに孕んでいる

排泄を試みては失敗し
腿を伝って流れてく

そうした事柄に起因して
汚いぼくの体液は
ぜんぶ水銀になりました

栓を探して引っ張って
閉じて晒してさようなら


自由詩 水銀 Copyright はな 2009-09-21 11:34:10
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