一つは行き、一つは絶えた
嘉村奈緒
よく見知った鳥たちの
生まれる音が遠くから
ここまで
骨がぶつかり合っているようにも思える
低い腰つきと
正確な手さばきで
つぎつぎと収穫されていった
ばんざい 収穫だ
ばんざい 越冬だ
ばんざい
骨のふるえる姿だ
骨の朽ちていく
暮れだ
それから
花火
祭なので囃される
櫓を組みくみ
鳥たちは種をまく
その意味を知っているようにも思えるし
知らないまま渡っているようにも
(そうしてそのまま戻らない)
ばんざい 骨は鳴るのか
遠くからここまで
鳥たちの精巧に計算された
とても小さな胸の白い骨は
歌うように朽ちるのか