いっつ・あ・すもーるわーるど
中原 那由多

テレパシーが使えるなら誰も苦労しない、だなんて
痛烈な意見にお腹が痛くなっても
やり場のなさはだいぶ楽になった
初めは鑑賞で良かったのになと
泡がどんどん膨れ上がっていく様を自嘲する


欠伸はもう少し礼儀正しく
よそ見で見つけた秋桜が可愛いから
自分は嘘をつくのが下手だなとつくづく痛感する

ワレモノ注意と書かれた段ボール箱をそっと覗き込んで
体育座りしたさそり座の女と目が合ったら
それこそ謝罪会見だけでは済まされないし


もし仮にこの女が
実は泣き虫で甘えん坊で
腕の中ですやすやと眠ってくれるなら
何とか丸く収まりそうなものなのだが
それよりもまず彼女には
温かいレモネードでも飲ませてあげなければ


猫を被っているのは社交辞令の一環で
最初は渋々ながらも慣れてしまえばそれが好きになる
ただ、楽しみを噛み締めるということなら
積極性も悪くはないみたいだ




自由詩 いっつ・あ・すもーるわーるど Copyright 中原 那由多 2009-09-18 21:49:58
notebook Home 戻る