Fourth of July
捨て彦



おれは頭が悪いから
ちょっとしたことですぐに泣きそうなって
女のひとに助けてもらおうとする
ほいで助けてもろたら
どうも有難うとかゆって
またすぐに遠くの地平線のこととか
郊外の高速道路で
忘れ去られていくあの街のこととか考えてる

おれは多分おれの妄想で勝手に生み出された
可哀相な女のひとたちの事を考えて
可哀相やな、ゆうていつまでも
歪んだ妄想を膨らませてる









Fourth of July








殴ってほしいと思ってても
殴ってくれる人なんか滅多におらへんし
それが分かってるからおれは
尚更殴ってほしいとかゆうてんのや
ほんまにせこい

けどもしほんまにぶん殴られたら
おれは多分阿呆みたいに泣きべそかいて
ごめんなさいて平謝りして
ほいで周りの人たちを
めちゃくちゃ幻滅させてしまうと思うわ
それでみんなおれの前からおらんようになると思う

仕舞いには
誰にも相手されへんくらいに落ちぶれて
友達にも愛想尽かされて
泥んこの格好悪い姿晒して
道で腐ってまえばええて思ってる
おれなんか
地面に這いつくばってしまえばええわ








Fourth of July
って聞こえる









沸きだつ気持ちをぜんぶ
殴りつけたい
でも次から次へと妄想は出てくるし
一体おれはいつから
こんな眠たいことばっか
考えるようになったんやろ
ほんまにあらゆる場面でうんざりする
もうさっさと自分に
愛想尽かしたい








Fourth of Julyって聞こえる








なのにそれでも
ええ年になってもまだ
真っ青な空と郊外の向こうに
なんかあるかもって思ってる






自由詩 Fourth of July Copyright 捨て彦 2009-09-18 20:43:30
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