永遠に出られない
ゆりあ

ねえアリス、私わかった気付いたんだ神様はいないって
昨日の朝ヘッドフォンで耳をふさいで散歩して太陽の光を見ていたら、気付いたんだ
それでね、私がなぜこんな地上の道を歩いているかと言うと、それは愚かな昼間の作戦に過ぎなくてつまり太陽と空が死ぬほど美しいからで、君はもう居なくて、居なくなって、終いには誰も居なくなって怖いから早く1今日を終わらせたくて早く死にたくてつまり生きようとして馬鹿だからヘッドフォンの奥の童話や神話めいたものに依存している

私は今自分がこうして路上に立っていること生きていることが本当に不思議で神話のように思えて信号の下にはたくさんの人人人人なんで私は一人なんだろう一人で立ってるんだろう人間の頭が空と何か透明なもので繋がっている気がする何かに操られているような気すごくする
一年以上前から消えないこの気持ちの悪い感覚もしくは錯覚
それであれ、やっぱり神様っているのかなと思った瞬間涙が溢れそうになった
大きな観覧車が私の青春

路上に充満する鉄パイプの匂いだけが、リアル

なんとなく私宇宙人みたいな気持ちになってアリスも最初から居なかったことに歩き煙草をするサラリーマンを見てたらぼんやり気付いてぼんやりぼんやりまた歩いてった

でもまたそのうちに記憶のコラージュである私の宗教アリスは白い空に相変わらず浮かんでいてこっちを無表情で見つめていたり冷たく軽蔑したような瞳で見たり泣いていたりたまに優しく微笑んだりした

本屋でいい加減に本や漫画を、コンビニで甘そうなグミを買って食べながら帰った

甘くて吐きそう

まあ最初から吐きそうだったけど
それで結局買った漫画や本に触発されてまたおかしな道に迷い込むのがオチ
いつものこと

でも私迷子になるの、昔から好き
永遠に助からなくていい
森から出たくないの
これで、これで良いんだよねアリス
アリス一緒に死のうね


自由詩 永遠に出られない Copyright ゆりあ 2009-09-16 21:09:04
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