「 大きな顔のアンタへ 」
椎名

ぎりぎりのところで頑張ってきたけれど

寄せる波が大きくて

いつかは

境界線からはみ出されるのだろう



なんの境界線なのか

常識と非常識

大人と子供

うそつきと正直者



そんな境界線があるのなら

はみだしてやろうじゃないか

なんて考えるのは危険なのかな



なんでもみんな揃えたがる

しかも

自分の定規で測ってね



権力のある定規を持つものが

大きな顔で線を引く

いったいアンタの定規は

どんな単位がついているんだい



みんな

みんな

ぎりぎりのところで踏ん張っているんだ

頼むから大きな波は起こさないで



いらないものを排除して

残った中にだけ

アンタの幸せがあるというなら



それはちっぽけな世界だね



かわいそうな人と

思ってあげるから

私たちの存在は忘れて

中央だけで大きな顔をしていればいいじゃないか



はみ出されるのが怖いわけじゃない

ただ

この世界で知り合った仲間と

別れたくないだけなんだ





自由詩 「 大きな顔のアンタへ 」 Copyright 椎名 2004-09-11 23:22:29
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