新しい宗教
ゆりあ

私だってムカつくことくらいあるよ
いつだって泣き出したいもの

いくら神様を信じていたって
いくらきれいなものが好きだからって
現実、そんなこと言ってらんないでしょ

だから諦めることにしたの
自分も、他人も
人間に期待するのが間違いだった

私もう生きていたくない
無意味だと悟ったの
もう楽しくて嬉しくて悲しくて辛くて気持ちよくて気持ち悪いのに飽きた
頭ん中、久しぶりに空っぽ
楽しいな
三年前に戻ったみたい
あの時はまだ学校のプールちゃんと入ってた
私永遠にみんなを許さないわ
忘れてあげない
みんなの卑怯なところ、忘れてあげない
みんなが汚いってこと知ってるもの
みんなみたいに偽物の宗教信じるなんてまっぴらだわ

だから私と一緒に新しい宗教、つくろう
昼間の神様に唾吐いて夜の月の光だけ見ていよう
生きることを諦めよう
ドライになろう
友達なんか作るな
誰も信用するな
清い心でいろ
ありもしない官能を求めるな
肉欲ほど汚いものは無いのだから
死にたくなったら、手を繋いで一緒に死のう
これは復讐なんかじゃない
全部私たちの純潔のため




深い深いプールの底に墜ちてく
ゴボゴボと言う大きな音
墜ちてく墜ちてく墜ちてく!
一瞬の暗闇
月の光に手を伸ばした




自由詩 新しい宗教 Copyright ゆりあ 2009-09-14 02:44:43
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