幸福な夜には
ミゼット


コップの縁からあふれている
緑は
泣き出しそうに
低いところへ向かっていく

その底辺で
受け止めて
手の中に溜まっていくのをみてる

私の睫毛の先から漏れた
藍色と
手の中の緑が溶けて
砂になり
島になり

口先から生まれた
黄色い帆の船が
それから上陸する

胸にリボンをつけた子が
小さくて
男か女かも分からない子が
島から生えた
木の実を食べるよ

祈りらしい祈りがなくなった
幸福な夜には
このてのひらの島を
肩口から腕ごと
君に送りたい

そんな歌が歌える気がする


自由詩 幸福な夜には Copyright ミゼット 2009-09-14 00:28:40
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