LOST GIRL
ゆりあ

今日は神様がパウロに手紙を渡した日

B組のあの娘が自殺した日

雨の降りそうな灰色の空
不吉な予感はいつだって美しい
嘘の祝福の鐘が頭の中に鳴り響く
急いで
羊神の弟子が追ってきてる
もうすぐ、冬が来るから
天使は悪魔に血で汚されてぐったりしてる
あの娘のハンカチに着いた赤い血




氷の国の王子の歌声が聴こえる
住民は王子の怖いくらい美しい歌声にうっとりする
王子と話したいよ、私も、今悲しいよ

新しい神様を創らなきゃ
新しい十字を立てなきゃ

あの薄汚いビッチのせいでまた私達の十字架が壊れてく
私は夜に実力を発揮する運命のヴァンパイアに利用された
私の涙は神様しか知らない
昼間の森から聴こえるメロディー
私のスニーカーは、汚れてく

手が灰色に染まってく
血で染まってく
ぐちゃぐちゃになる
聖水をください神様



LOST GIRL
かわいそうな女の娘をまた失った
彼女は今頃幸せだろうか?
LOST GIRL

怖い
怖くて涙が出る
誰が
誰がこんなことしたの
私じゃない
私が泣き崩れても容赦なく目の前に広がる誰かの遺体


「突然プツンと途切れる思考回路」


「それはあんたが脱ぎ捨てた脱け殻だよ、見覚えないの。あんたがそれを本物の自分だと思い込んで生きたのがいけなかったんじゃないの」

知らないよ
知らない
あの娘のとこに返してよ
私の居場所はここじゃないのに
ここは誰もいなくて真っ暗で怖いよ
誰もいなくて、怖い

でも孤独も結構楽しい
もっと履いてるスニーカーを汚そう、歩みを止めないでLOST GIRL
ガブリエルと手を繋いでいれば、生きていける
太陽に向かって、歩いてく

私の人生ってまるでホラー
恐怖による快感はもう病みつきになっちゃう

もっと怖いものに、手を出したい

夜道を散歩しよう

ほら、顔に冷たい風が、当たる
私、目には見えないみんなと、友達


自由詩 LOST GIRL Copyright ゆりあ 2009-09-13 00:38:41
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