弾けるキャンディ
ゆりあ

私の中の生々しさを愛して欲しいのです
紺色の制服に包まれた私の中の生々しさを
甘くコーティングされたキャンディの気持ちがわかりますか
捨てられたかわいいくまのぬいぐるみ
舐め尽くされたキャンディ
紺色にだって感情はある
なかなか人には言わないけど
たくさんあるのです
灰色の空から聴こえる愛のメロディー
あなたには聴こえる?
甘くコーティングされた甘い甘い弾けるキャンディ
舐めてみてね
きっと神様の涙の味だから

あなたがいつも通る橋の前で下を向きながら隣でこっそり微笑んでいるのを見て
まだ、生きていようと思った
でも、あなたとこの橋の下の川になれたら、もっと楽しい、美しいと思った
きっと、何かが見える
世界が終わった後に何が残るか私は知らない
行こう、神様のいるところ
あの丘、君の瞳の向こう側、君の長い睫毛、世界の終わりみたいなギターの音、朝の太陽、みんなの眠る深夜、吐息、白い、白い、白い制服のワイシャツ



先輩の残した炭酸飲料を、少しだけ口にした




それでも瞼を閉じると浮かぶのは、赤い、赤い血の色
日に焼けた黒い肌





汚いから、くやしいからコンクールで2位をとったピアノの課題曲を気持ちを込めて弾くけど、うまくいかない


朝、泣きながら目が覚めた


あなたにちょっとだけ意地悪されたい


自由詩 弾けるキャンディ Copyright ゆりあ 2009-09-10 00:20:27
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