ジグソーパズル
中原 那由多

流線形を手がかりに
ピースを一つはめてみた
ぴったり落ち着くことが楽しくて
暇潰しではなくなっていた


ピースが足りないから毎日のように探し歩いた
埃の積もるベッドの下
ジレンマの隙間
台詞の裏側

ひとつのピースを拾った
今までのと比べて酷く汚れてた
途中経過の絵には不釣り合いだったが
ここに収まることは間違いなかった


未完成を遠くから眺めてみた
吐き気がするような肖像画で
汚れたピースをじっと睨みつける
馬鹿馬鹿しく思えてきて
また泣きそうになりながら
バラバラにしてやろうと目論んだが
汚れたピースに手をかけて
零になるのがとてつもなく怖くなった


勘違いに気付いただけまだマシだったろうか
同じ轍を踏みかけて
つい鼻で笑ってしまった


あれから、未だに懲りず
今日もピースを探して歩いている




自由詩 ジグソーパズル Copyright 中原 那由多 2009-09-09 19:13:36
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悠希子