LOOK/LISTEN/FEEL
within

真昼の頂点に、輝く水飛沫があがり、影のない一瞬 私は
ぽかんと口を開けて、天頂を見る、ヤブ睨みをする
不機嫌だった幼児も、相貌を崩し 笑い出す
はしゃぎだした子供たちに大人たちはお手上げ
だけれども
言いようのない、満たされた胸に
四階の階段の踊り場からダイブして、奇跡的に助かった私は
これからも生きることにした
まだ死ねないなら 耳をすませば、聞こえる、ラジオから
宇宙そのものの声が。

苦しんでいる私に「五月蠅い」と吐き捨てた母を
恨んではいない。彼女も苦しんでいたのだから、
それよりも今、静かに眠っている母に
一秒でも安らぎを。

いつか繋いでいた掌の温もりを
何度も思い出し 自分を慰め、新しい誰かの
温もりを探す
目を見開くのではなく、閉じて、ゆっくり鼻腔から
空気を吸い込む 味わうように。
今更 欺瞞を指摘したところで何も変わらない
僕は分かっていたんだから、気付かなかったなんて
今更 何を言ってるんだ

月の横に光る小さな星の名前を
教えてください
きっと誰もが知っていることを僕は知らない
言葉にならなかったものを
言葉では教えられないことだから
感じている
できるだけ鋭敏に、皮を剥いだクリトリスのように
感じている


自由詩 LOOK/LISTEN/FEEL Copyright within 2009-09-06 22:37:29
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