日曜日
アンテ


一日じゅう
好きなことだけをして過ごした
だれとも会話をしなかった
台所に寝そべって本を読んだ
お風呂の窓を全開にして四回入った
泣いた
難攻不落の坂道を自転車で登りきった
技術の限りをつくしてお茶を入れた
七色の風船を順番に膨らませて空に飛ばした
すごく泣いた
電話をゴミ処理した
ロウソクの明かりだけで食事をした
ベランダに座って雨の音を聞いた
思いっきり泣いた
いつの間にか
日付が変わっていたので
試しに
当社比20パーセント増量で
挨拶をしてみた
こんにちは
なかなか威勢のよい声が出た
朝の仕度をして
布団にもぐりこんで
とにかく行けるところまで頑張ろう
強引に目を閉じると
夢のない眠りが訪れた





自由詩 日曜日 Copyright アンテ 2003-09-30 01:33:31
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びーだま