藍色の海
月乃助


投げ捨てるように

陽がしずむ

衝動さながらに性急な 紅く去る欣求

栓をときはなち、器に受けとめれば 波は

ぞめき うねりとなり

すべての陽と海の 混交体は、

鮮明にゆったり 芳情の結露にすがたをかえた

悦びを集め 集まり 

一つの 彩りをなして

藍色の影と一緒に うちよせる

とめどない 細波のきわみに 恍惚の飛沫は、

光波に粒子を輝かせ むつみあう

風のない透明な ガラス・ビンのなか

琥珀の海と陽の愉楽に

友と語りつきない 

夏の夕暮れ





自由詩 藍色の海 Copyright 月乃助 2009-09-04 05:18:49
notebook Home 戻る