さようなら
ミツバチ

あなたに会いたくて
あなたを忘れられなくて
わたしは海へ
でもあなたは
だんだんと薄らいでいた
さようなら
と優しく呟いている

わたしの涙は
風にさらわれて
赤い太陽も
どこか温度を落とし
じりじりと
わたしを照らすことも無く
砂浜に立つわたしの
切ない心は
あの日見た海ガメの行方に
思いを馳せる

行ってしまうの?

また来るよ

会話など存在せず
あなたがそう言ってるようで
鳴き始めた虫達に
急き立てられ
あなたに背をむけた

すっかり柔らかくなった
西陽が
また会おうと手を振っている気がする


自由詩 さようなら Copyright ミツバチ 2009-09-03 12:41:55
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