続 天使になる条件/血が飛ぶ季節
ゆりあ

また冬の季節が来るよ
また血がたくさん飛んできて危ないからよけて
血が飛ぶ季節だから
また一人歩いていく季節になっちゃった
せめてあの娘の赤い唇と私の乾いた唇とを合わせたかったな
午後5時の空で待ってるから
絶対来て
私神様に呼ばれたから
天使になる条件を満たしたから


血が飛ぶんだ
またたくさんの血が空を舞うんだ


生きるって戦争なんだもの


生まれて死んでの繰り返し
たくさんの赤ちゃんがたくさんのお母さんの子宮から血まみれになって産まれてくる
それと同時にたくさんの人が
死んでいっている
世界は本当は真っ赤なんだ
青い空と真っ赤な血

赤がいっぱい
赤がいっぱい

君もその白い肌を剥いだら赤がいっぱいなんだよ

大丈夫君はまだ生きてる
血が温かい
僕はもうだめなんだ
まるで血が通ってないみたいに肌が真っ白でさ
いつだったか神様に魂と心を売ってから赤い血がたくさん見えるようになった
もしかしてあれ神様じゃなくて悪魔だったのかなあ

痛い
痛いよ
色んな人の血が凍って氷柱みたくなって僕に刺さる
僕にはもう痛みなんか無いから血も流れないし
でも空気が冷たいよ
空気がとても冷たい



とても寒い
凍え死にそうだ



そして一つだけ不思議なことは、僕に生えている翼がカラスのように真っ黒だってこと


自由詩 続 天使になる条件/血が飛ぶ季節 Copyright ゆりあ 2009-09-03 03:35:44
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