零細と歩く
中原 那由多

球があった
それは今まで全く転がらなかったが
最近やっと少しだけ動いた
続きを期待したがそれ以上はなかった


しばらくはいつもと変わりなかったが
私が意思表明を始めたあたりから
球はまた度々動くようになった
相変わらず微々たるものだったが
やがてちゃんと転がるようになった


球は私が現実を受け止めて嘆くたびに
ころころと転がっていく
正直な思いを表現するたびに
ころころと転がっていく

初めの位置からずいぶん離れてきたのだが
一体何処まで行くのだろう


現在進行形
ペシミストとナルシスト
重厚な歯車のように
ゆっくりじっくりしっかりと
こころころころ放浪記
旅はまだまだ続くといいな



自由詩 零細と歩く Copyright 中原 那由多 2009-09-02 16:05:33
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