青色——露草
照留 セレン

泣いて明かした朝の
空の青になりたい
仮染めの色が水に溶けるように
澄みきって 広がってゆきたい

ひとそろいの翅を持っていたら
昇ろう
たとえ彷徨いながらでも
空とひとつになれるところまでたどり着けたらもう
思い残すことは何もない

私の心は大気圏を旅する しかし
私の足はいつも大地に根付いている

足を掴み 土は私を咎める
おまえは何処へゆこうとするのか と
私は土から目をそらし
空に焦がれて日を終える

私は知っている
土の上でしか生きられないということを
知っているがしかし
みずからを仮初めの青に染め上げて
朝になると空を見上げる



自由詩 青色——露草 Copyright 照留 セレン 2009-08-31 08:26:17
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虹の七色