ペンギン哀歌
テシノ

可哀相にペンギン
一人になってしまった
強く手を握り締めると
夜の虫が鳴き出す

湿った空気でぱんぱんの
孤独な立体駐車場
壁を照らしたヘッドライトは
あの別れ際の笑顔に似ている
振り返る事もできたけど
見送る事は辛すぎる

空を仰いで呟く
誰か雨を呼んできてほしい
北の海が遠いなら
誰か雨を呼んできてほしい

可哀相にペンギン
夜の虫が鳴き出す


自由詩 ペンギン哀歌 Copyright テシノ 2009-08-25 18:32:53
notebook Home