[20歳]
東雲 李葉

区切りがいいって思ったりする。特に何もしないけど。
いろいろ考えなきゃなって悩んだりする。結局朝には忘れるけど。
もう何にも変わらないなってそんな性格を指で遊んで。
頑固だったり軟派だったり未だよく分からない自分と生きていく。



淋しいことばかり憶えてしまう。
部屋に響く声の大きさ、作り置いた麦茶の期限。
寝転んだ時の胸の大きさ、両脚の間の未知なる神秘。
自分のことなのに何も分からない。
ただ今は誰かの重みを知ってる振りで。



年を重ねて大人になって。
いろいろ知って大人になって。
まだまだこれから。ううん、もうこれまで。
月一の痛みが最近少し重いんだ。
肉体だけが幼い精神を追い越して、
着々と家族を作る準備をしている。



許せるものが増えて大人になった。
でも本当はただ諦めてきただけじゃないのか。
今更気付いてしまっても、
もう遅い。放課後のチャイムはとうに鳴り終わっている。
手探りで生きていく他ない。誰も道を照らしてくれない。
月夜に提灯、持て余さずに感謝しておけ。
私みたいに闇しか見えなくなるその前に。


自由詩 [20歳] Copyright 東雲 李葉 2009-08-23 06:56:31
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