灰色
ミツバチ

灰色の目をしていた
水の切れかかった
向日葵のように
いつもうなだれていて
青空ももう写らない
死を模して
日常を葬って
あたしには
そんなに大きな棺は
要らないの
一輪の小さな野花を
手向けて
あたしの憂鬱が
息づかないように

老いに対する
不可抗力
いつも誰かが
傍に居てくれるという
錯覚
目眩で足元が見えず
また
誰かを見失う

あたしの時間に
花束を燃やして
さようなら
綿毛のように
優しい風に乗って
何処までも
飛んでいきたい


自由詩 灰色 Copyright ミツバチ 2009-08-22 14:42:28
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