いつかの落書き
中原 那由多

腐敗からごみ屑を拾い集め
給水塔をふと見上げる
エントランスの足音は独りぼっち
曇天の下、ふわり
枯れ葉が一枚舞っていた


音信不通にただ落胆
誰も悪くない、悪くはない
南京錠を掛けたなら
これで最後にしておこう


金網の下1メートル
探し物は当然なくて
人間は難しいよね赤トンボ
幕引きは時に壮大で
またあっけなくもある
未完のまま放置されて
批判さえもできなくて


一方通行
草を刈る音が虚しい
田舎の夕暮れ
好奇心は枯渇した
必死で形にしたものは
大したものでは決してなく
その為の礎に
果たして価値があったのか




自由詩 いつかの落書き Copyright 中原 那由多 2009-08-21 18:17:28
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