曠野

新しい朝の
涼やかな匂い

穏やかな川原の上空
セキレイの鳴き声

ビルの隙間を焦がす
夕日の炎

穏やかな風に
ふるえるまつげ

夏至近く
蜜蜂の金の羽音

葉の露をじっと見つめる
幼い頬

蛍の夕べ
流れる天の川

竜胆からライラックへと
移り変わる秋の空

その全てに
名をつけることが

愛なのか

名づけないことが

愛 なのか


自由詩Copyright 曠野 2009-08-19 13:54:21
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